Vol.3 面貸し美容師のメリット・デメリットって?
✳︎もくじ✳︎
【面貸し・フリーランス・委託の違いとは?】
美容師の働き方は、自分でサロン経営をする・サロンに就職して働くだけの2択ではなく、
1つのサロンに所属せずにフリーのスタイリストとして働く(フリーランス美容師)という選択肢もあります。
最近、「フリーランス美容師になって時間を有効的に使いたい」という人も年齢問わず増えてきているようです。
「ミラーレンタル」とも呼ばれるこの制度。
海外ではごく当たり前の労働スタイルとして定着しており、日本でも近年は注目を浴びる労働スタイルの1つとなりました。
まだまだ日本では数の少ない「面貸し」という働き方について、その働き方や仕組み、給与、メリット・デメリットなどについて解説していきます。
「面貸し」「業務委託」「フリーランス」は、美容師の働き方として混同されやすいですし実際に3者の違いがよくわからない、という方も多いかと思います。
「フリーランス」とは「事業所に雇用されていない、個人事業主の状態」を指し、「面貸し」「業務委託」は、それぞれ「個人事業主としての働き方」を示す言葉です。
「面貸し」
独立しているスタイリストが、サロンのセット面をレンタルして、自分の顧客にサービスを提供する。あくまで「場所を借りている」だけなので、集客や薬剤などの備品の用意、メニューや価格などは、すべてスタイリストが自分で決めます。
面貸しはサロンオーナーとフリーランスは「オーナーと従業員」ではなく、「店舗オーナーと利用者」の関係です。
そのため、働いたサロンから給料を貰うのではなくお客さんからもらった売上が収入になります。その中から場所を借りた代金をサロンオーナーに支払う形となります。
面貸しの契約はお店ごとにいろいろあります。
「売上の〇%支払う」という売上変動の方法や借りた時間分の利用料を支払う方法などがあります。
普通にサロンで働くよりもたくさんお金がはいってくる場合が多いようです。
「業務委託」
独立しているスタイリストが、サロンから業務を委託されて労働する。
集客や備品購入は、店舗がまかなうケースが多い。
またメニューなども基本は店舗のものに従う。雇用契約より、休出勤時間が比較的自由であったり雑務軽減などが見込めます。
「フリーランス」
雇われでなく、個人事業主として独立した状態の働き方を幅広く指して言います。
「面貸し」「業務委託」も、フリーランスとしての労働形態の1つですが、ここ数年の間に美容師が「フリーランス」という働き方を選ぶことは、ごく自然な流れになりつつあります。
労働の多様性が浸透しつつある今だからこそ、今後益々個人事業主として独立を選ぶ美容師は増えていくでしょう。
面貸しとは、サロンのお客さんの入らない空いた時間や余っている席を他の美容師さんに場所のレンタルをすること。
サロン・オーナーは空いた時間を有効に活用することが出来ますし、フリーランス美容師は自分のお店をもって家賃を払って維持するよりも安い経費で仕事が出来ます。
デメリットは?
フリーランス美容師で働くのは決して良いことばかりではありません。1人でフリーランスとして仕事をするということはサロンに所属するよりもデメリットな部分もあります。
きちんと、デメリットも理解した上で、どんな働き方が自分にあっているのか?考える参考になさって下さい。
収入が不安定になる・保証がない・宣伝集客も自分でする
サロン所属の美容師だと、お店の売上の良し悪しに関わらず基本給が保証されています。
雇われていたときに保証されていた「基本給」や「最低月給」の付与がなくなります。面貸しが収入面で懸念されるパターンとしては
・ 病気や怪我で働けなくなった場合、収入が0になってしまう。
・ボーナスなどが一切なくなる。
・有給や育休などなく、休めば給与は発生しない
・雇用・社会保険などがなくなる
などがあげられます。
「実力次第で雇用時代より稼げる」といわれる一方、・集客がうまくいかず、思うように稼げない
先を見据えた収支管理・働き方ができないタイプの方は、面貸しを続けていくのは難しいかもしれません。
一方、フリーランスの美容師は、自分で宣伝してたくさん集客できれば収入はとても良くなりますが、頑張らなければゼロになってしまう可能性もあります。
1客あたりの手元に入る売上(利幅)は多いですが、安定した収入の確約がないというリスクがあります。
経理・薬剤管理など全て自分で行う
面貸しの場合、サロンから場所を借りているだけなので、売上や材料にかかった経費などの計算を自分で管理しなければいけません。
接客意外に経理業務も日々の大切な仕事になります。
更にこれまでサロン任せだった薬剤や備品の購入・準備・管理が、面貸しとなればすべて自身の仕事となります。
「お客様に自分のこだわりの薬剤を使いたい」「マメな雑務が気にならない」という方にはある意味メリットでもありますが、細かい作業を面倒に思う人には負担になるかもしれません。
あとは、慣れない「税務処理や手続き」に苦労することです。
開業手続き・税務処理など
フリーランスが必要となる手続き面貸しとして活動するためには「開業届の提出」をはじめ、これまで店舗が当然のようにしてくれていた保険料や税金の手続きなどを、すべて自分でまかなうこととなります。
・開業届の提出
・国民年金の手続き
・国民健康保険への加入
・年に1回の確定申告
・青色申告のための事前手続き
こういった作業は独立の際、誰もが初めて味わう経験です。面倒な上にわかりづいらいため
「身近なフリーランスの人に教わる」
「納税書等へ直接電話して確認する」
などの手段を使ってトラブルにならないよう対処しましょう。
トラブルは自己責任で
面貸しで営業していて、お客様との間で事故やトラブルが起こった場合など、サロンが代わりに責任を負ってくれることはありません。
自分でトラブルの対応もしなければなりません。
メリットは?
収入の目標が立てやすい(高収入も目指せる)
面貸しであれば「メニュー料金」「稼働日数」「1日の接客人数」全てを自分で決められるため、稼ぎたい額に合わせて働く量を調整することが可能です。
実際「独立して店を出すための資金調達」として一時的に面貸しで働くスタイリストがいるのは「自分次第で稼げる」「期間や目標を定めて稼ぎやすい」という特徴があるためでしょう。
収入が自身でコントロールしやすいので自立して稼げるタイプの方であれば面貸しという働き方は魅力的ですね。
人間関係の煩わしさがない
上下関係やお店での集まりなどがあまり得意でない人はフリーランス美容師だと気楽に仕事が出来ます。
仕事場の雰囲気の好き嫌い・煩わしい人間関係などに翻弄されることがありません。
必要最低限の職場づきあいで働ける面貸しであれば、人間関係による不要なストレスは軽減されます。
すべての業務を一貫して自分で行うため、他のスタッフと関わる機会はほとんどありません。
・厳しい上下関係・人間関係が辛い
・業務外での社員同士の付き合いが苦手だったり嫌な方
・人目を気にしながら働くのが煩わしい
こういった方は「面貸し」のようなフリーランスが性に合うかもしれません。
時間の融通が効きやすい
通常のサロン勤務だと、お店の定休日が決まっていて休みの融通がほとんどききませんし、中々他のスタッフの手前「遊びに行きたいので休みを代わってください。」って言いづらいですが….
しかし、面貸しだと自分でいつ働くか?定休日などスケジュールを自由に決めることが出来ます。
例えば、午前中はヘアメイクのお仕事をこなし、午後からは美容室で働く。そんなダブルワークもできちゃいます。
・がっつり稼ぎたい月は、週6日稼働する。
・子供の迎えがあるので、17時まで稼働する。
・年に2回、ご褒美に1週間以上の長期休暇を取る。
このような自由な動き方ができるのは、面貸しの最大の魅力と言えますね。
経営の経験値が高まる
フリーランス美容師は個人事業主です。
収入・経費の計算など自分でします。お店に雇われているときは考えもしなかった経費・運営など経営のことも考えるようになります!
自分のお店を1度開店すると、お店を閉める判断を下すことも中々決断はできないでしょう。
場所を移転したくてもそう簡単には変えられません。
しかし、面貸しだと立地が合わなければまた別のサロンと契約し直せばいいので自分のお店を持つよりも気軽に経営の経験値が積めます。
顧客を納得いくまで接客できる
「自分の顧客に時間をかけて対応できる」ことです。
通常のサロンであれば、シャンプーやトリートメントなどの施術はアシスタントが担当するのが一般的です。
多忙なサロンであれば複数名を掛け持ちで対応しなければならず、大事な顧客を流れ作業的に扱うことも珍しくありません。
その点、面貸しであれば「お客様の受付」から、一貫してすべてを自分のみで、じっくり時間をかけて接客ができます。
・時間に追われた接客が嫌
・すべてのサービスを自分だけでトータルで提供したい
・指名をくれたお客様を大切にしたい
こういった方には、「お客さんを大事にしたいのに」というジレンマから解放されますね。
まとめ
面貸しについて詳しくお話ししましたが如何でしたでしょうか?
売上の管理や責任など大変になる事も沢山ありますが、自分でサロンを経営するよりもローリスクで自由な好きな働き方をすることができます。
1から美容室をスタートさせるとかかる、物件の契約金・シャンプー台やセット面などの設備投資など、かからないのはとても魅力です。
面貸しでの独立は、初期費用があまりかからないので資金を多く準備できない人でも始めやすいです。
フリーランスであれば時間の使い方もあなた次第です。沢山働くこと・様々な仕事とWワークで働くことも可能。自分の時間を有効に活用できます。
しっかりリピーターのお客さんがつけば、高収入も夢ではありません。あなたもフリーランス美容師を目指してみてはいかがですか。
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